お世話になっております、山﨑本店です。

突然ですが皆様、亡くなられた方は極楽浄土で何をお召し上がりだと思いますか？所説ございますし各ご宗派により説かれ方も様々ございますが、亡くなられた方が極楽浄土で召し上がる物は『香(こう)またはかすみ』と伝えられているそうです。極楽浄土は常に良い香りに包まれているという一説がございます。極楽にいらっしゃるご先祖様方はその香りを吸うことでお食事になるのだそうです。
香と聞くと皆様はお線香・お香を連想されるのではないでしょうか？もちろん正解でございます。しかし、お仏壇の周りにはそれ以外にも皆様からご先祖様に向けてお供えされた香りがございます。

まずお花。生花はお仏壇に彩りと鮮やかさ、そして花の良い香りを添えてくれます。
次にお茶(宗派によっては供えません)。お茶の湯気もまた香りがします。
そしてご飯。朝夕、またご法事の時はお供えする炊き立てのご飯からは良い匂いの湯気が上がります。

これらは全て、煙や湯気になりお仏壇やお墓を通して極楽にいる仏様・ご先祖様に届けられます。

ちなみに先に上がりましたお線香・お香を焚くには火が欠かせません。ローソクに火をともすことで香りが生まれ、同時にその火は極楽浄土からこの世の私たちを照らし守ってくれる仏様の御灯りとも言われるそうです。

なお、この香・灯・花・お茶(仏事では浄水・じょうすいと読みます)・ご飯(仏事では飲食・おんじきと読みます)の５点を総称して【五供(ごく)】言います。

昨今は様々なご事情から毎日この五供をお供えするのは難しいご家庭も沢山あります。
特に朝、ご家族全員でお仕事などにお出かけになる場合はお線香やロウソクの火は消し忘れの元、心配にもつながります。
また生活スタイルの多様化で朝はご飯を炊かないお宅もあります。生花や食べ物もこれからのシーズンは痛みが早くなります。電池式LEDローソクや造花を使うなどぜひご無理のないおまいりをおすすめ致します。
朝、おリンを鳴らし「行ってくるね！」とお仏壇にお声がけするだけでもとても良いご供養です。

そしてぜひ、ご命日やお盆・お彼岸には五供をご用意されいつもよりゆっくりと、仏様、ご先祖様に手を合わせて頂きたいものでございます。お茶が苦手だったご先祖様にはぜひ、お好きだったお飲み物をお供え下さい。五供だけでなく、お好きだったお酒やお菓子もご先祖様はお喜びになります。お供えしたいお気持ちは何よりのお供え物です。

昨今は動物除けの観点からお墓への飲食のお供え禁止も増えています。
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